◆社会福祉法人岐阜アソシア◆


【2024年度 生活支援部門】

1.生活相談・支援
(1)中途視覚障害者を始め、多くの視覚障害者から寄せられる生活上のさまざまな相談に速やかに応じて、日常生活の諸問題解決に努めた。また、視覚障害ゆえに起こりうる問題については、専門機関に協力を得るなどして解決策を見いだせるよう体制を整えた。
・生活相談人数 159名(延べ314件)
(2)岐阜大学、岐阜盲学校、岐阜県眼科医会、岐阜県眼鏡商業協同組合、岐阜県視能訓練士会等で構成する岐阜ロービジョンケアネット(うかいネット)に加盟し、各団体と連携して中途視覚障害者の相談・支援を行った。
なお、事業の実施状況は次のとおり。
・実施件数 20件(延べ20名)

2.「かがり火」スタッフ会の構成
 独身視覚障害等の男女の出会いの場である「かがり火」について、岐阜はもんの会、参加対象となりうる視覚障害者でスタッフ会を構成し、2025年度の開催に向けての準備を始める計画であったが、スタッフ会を構成するまでに至らなかった。

3.施設機能強化事業の実施
(1)避難訓練:第1回目は9月に地震を想定して、コロナ禍で密を避けるよう促しながら抜き打ちで実施し、第2回目は2月に避難訓練とし実施した。
 ・実施日 2024年4月22日(月)・2025年2月6日(木)
(2)防災運動会:災害時に地域住民と障害者が自助・共助しあえる体制づくりを構築できるように行っていたが、2023年度に引き続きコロナ対策に伴い中止とした。
(3)普通救命講習Ⅰ:不測の事態に備え、地域で救命活動ができるよう、視覚障害者、ボランティアを対象に行っていたが、2023年度に引き続きコロナ対策に伴い中止とした。

4.啓発活動の実施
 これからの社会を担う学生に対して、点字、視覚障害者、盲導犬等への理解を促せるよう、学校からの依頼に応じて福祉教室を実施した。
・依頼件数 10件
・受講人数 571名

5.各教室、その他行事の実施
(1)3B体操:運動不足になりがちな視覚障害者にとって、3B体操は年齢性別に関係なく誰にでも無理なく、心身ともに健康な日常生活を送れる気軽に楽しめる有益な体操であることから、健康増進を図ることを目的に実施した。なお、2024年度は新型コロナウイルス感染症の状況を見つつの開催とした。
・実施回数 10回(延べ34名)
(2)社交ダンス:一般の社交ダンス教室には視覚障害者は入りづらい、しかしダンスを通して交流を深めたい、日ごろの運動不足を解消したいなどの目的で、生活情報センター等を会場に社交ダンス教室を実施した。なお、会員が減少したため、申し出により8月1日(木)をもって廃止となった。
・実施回数 17回(延べ36名)
(3)太極拳:一般の教室では型や一連の動作の流れを教えてもらいづらいとの多くの声が寄せられ、視覚障害者に理解のある講師を招いて教室を実施した。なお、上記教室同様の開催とした。
・実施回数 28回(延べ305名)
(4)2025新春もちつき会:2023年度までコロナ対策で中止していたが2024年度は2025年1月11日(土)に新春もちつき会として開催した。
・来館人数 約100名

6.「センター交流会」の実施
 より多くの視覚障害者の意見、要望を聞く場としてセンター交流会を生活情報センターと多治見市で実施した。

(センター交流会)
・日時 2024年6月18日(火)10:00~15:00
・場所 生活情報センター(岐阜市梅河町1-4)
・内容 用具販売・機器体験会、クリアランスバザー、懇談会
・協力 名古屋ライトハウス、システムギアビジョン
・参加人数 86名

(東濃地区交流会)
・日時 2024年8月25日(日)12:30~15:00
・場所 多治見市役所駅北庁舎(多治見市音羽町1-233)
・内容 サピエで読書体験、懇談会
・協力 システムギアビジョン、ヌーファクトリー
・参加人数 40名

(中途視覚障害者の集い)
・日時 2024年10月27日(日)10:00~15:00
・場所 生活情報センター(岐阜市梅河町1-4)
・内容 同行援護事業の紹介と岐阜アソシアのガイドヘルパーとの懇談会
・参加人数 21名

7.アソシアシネラマボイス、リーディングサービス活動の実施
毎月アソシアシネラマボイス(音声解説付き映画上映会)を行い、音声解説付き映画の普及に努めた。また、映画上映の前に、短編作品を朗読して読み聞かせを行うリーディングサービス活動を合わせて実施した。
・参加人数 延べ300名

8.読書会「本の玉手箱」の実施
 読書という共通の趣味を持つ利用者、ボランティア等を対象に、本のことを自由に語れる場として隔月に1回実施した。
・参加人数 延べ58名

9.「視覚障害者外出サポート事業」の充実
同行援護など制度外となる視覚障害団体行事でのサポートや短時間での生活情報センター周辺でのサポートなど、利用者の便宜を図るよう努めた。また、インターネットを利用した外出サポートの全国ネットワークである「全国視覚障害者外出支援連絡会」(JBOS)に引き続き加盟して、他県の外出サポート事業実施団体との連携を図ったが2024年12月31日をもって解散となった。
なお、事業の実施状況は次のとおり。
・実施件数 18件(延べ35名)

10.代読・代筆情報支援事業の強化
 郵便物の確認、申込書への記入等、持ち込まれた書類の代読・代筆を随時実施した。また、家庭内での代読、視覚支援サービスとして、スマホを利用しての支援も行った。
・実施人数 6名(延べ10回)
  また、スマホによる視覚支援は次のとおり。
・実施人数 4名(延べ4回)

11.日常生活用具の収集・展示
 視覚障害者が日常生活を営む上で便利な用具類を収集、展示して視覚障害者が手に取って確認できるよう配慮を行ったほか、遠方の視覚障害者には貸出を行った。また視覚障害者の希望に応じて購入斡旋、用具申請の手続き等の支援も行った。
用具相談 87名(延べ107件)

12.各種クラブ活動の推進
 生活情報センターを拠点として、視覚障害者と晴眼者が共通の趣味や目的で集まるクラブ活動の場を提供し、両者の交流を促進した。センターとしては、担当者を配置した上で、①広報(視覚障害者・晴眼者双方に対して)、②会場・機材の提供、③資料(点字・墨字)の製作の3点について支援を行った。
2024年度は新型コロナウイルス感染症の流行状況とクラブ員との合意の下で実施の有無を判断し、その結果、編み物は20回、コーラスクラブは5回、卓球クラブは24回、料理クラブは12回の活動を実施した。
(1)料理クラブ…1997年12月発足 9名(視覚障害者6名、晴眼者3名)
(2)卓球クラブ…1999年2月発足 11名(視覚障害者10名、晴眼者1名)
(3)編みものクラブ…2006年4月発足 4名(視覚障害者3名、晴眼者1名)
(4)コーラスクラブ…2007年4月発足 12名(視覚障害者8名、晴眼者4名)

13.視覚障害者福祉協会等の行事や活動への協力
(1)岐阜県視覚障害者福祉協会が岐阜県の委託を受けて実施する視覚障がい者社会・家庭生活訓練事業(5月~12月)に対し、全面的に協力した。また、5月12日(日)に岐阜県視覚障害者福祉協会が主管として行った「第54回日視連東海地区グランドソフトボール岐阜大会」に岐阜はもんの会とともにその運営等に全面的に協力した。
(2)岐阜県視覚障害者福祉協会との共催で、「点字フォーラム2024」を行った。今年度は、「清流の国ぎふ文化祭2024」の関連行事として「視覚障害文化伝承祭」に位置づけて岐阜県点字競技大会を行い、午後からは「清流ふれあいコンサート」で、点字と同じく視覚障害文化として伝承すべく瞽女歌、箏曲に触れる機会とした。
・実施日 2024年12月8日(日)
・内容 午前…早読み、記憶書き、聞き書き、写し書き等
    午後…「清流ふれあいコンサート」
・参加人数 13名
 なお、「第54回日視連東海地区グランドソフトボール岐阜大会」「清流ふれあいコンサート」及び「清流の国ぎふ文化祭2024」の開会式・閉会式において主催団体からの依頼を受けて音声解説放送を実施し、新たな視覚障害者への情報提供方法として協力した。