【2023年度 生活支援部門】
1.生活相談・支援
(1)中途視覚障害者を始め、多くの視覚障害者から寄せられる生活上のさまざまな相談に速やかに応じて、日常生活の諸問題解決に努めた。また、視覚障害ゆえに起こりうる問題については、専門機関に協力を得るなどして解決策を見いだせるよう体制を整えた。
・生活相談人数 186名(延べ300件)
(2)岐阜大学、岐阜盲学校、岐阜県眼科医会、岐阜県眼鏡商業協同組合、岐阜県視能訓練士会等で構成する岐阜ロービジョンケアネット(うかいネット)に加盟し、各団体と連携して中途視覚障害者の相談・支援を行った。
なお、事業の実施状況は次のとおり。
・実施件数 39件(延べ39名)
2.「かがり火」スタッフ会の構成
独身視覚障害等の男女の出会いの場である「かがり火」について、岐阜はもんの会、参加対象となりうる視覚障害者でスタッフ会を構成し、2024年度の開催に向けての準備を始める計画であったが、スタッフ会を構成するまでに至らなかった。
3.施設機能強化事業の実施
(1)避難訓練:第1回目は9月に火災を想定して、コロナ禍で密を避けるよう促しながら抜き打ちで実施し、第2回目は2月に長良川氾濫想定とし実施した。
・実施日 2023年9月1日(金)・2024年2月28日(水)
(2)防災運動会:災害時に地域住民と障害者が自助・共助しあえる体制づくりを構築できるように行っていたが、2022年度に引き続きコロナ対策に伴い中止とした。
(3)普通救命講習Ⅰ:不測の事態に備え、地域で救命活動ができるよう、視覚障害者、ボランティアを対象に行っていたが、2022年度に引き続きコロナ対策に伴い中止とした。
4.啓発活動の実施
これからの社会を担う学生に対して、点字、視覚障害者、盲導犬等への理解を促せるよう、学校からの依頼に応じて福祉教室を実施した。
・依頼件数 14件
・受講人数 478名
5.各教室、その他行事の実施
(1)3B体操:運動不足になりがちな視覚障害者にとって、3B体操は年齢性別に関係なく誰にでも無理なく、心身ともに健康な日常生活を送れる気軽に楽しめる有益な体操であることから、健康増進を図ることを目的に実施した。なお、2023年度は新型コロナウイルス感染症の状況を見つつの開催とした。
・実施回数 17回(延べ58名)
(2)社交ダンス:一般の社交ダンス教室には視覚障害者は入りづらい、しかしダンスを通して交流を深めたい、日ごろの運動不足を解消したい等の目的で、生活情報センター等を会場に社交ダンス教室を実施した。なお、上記教室同様の開催とした。
・実施回数 46回(延べ171名)
(3)太極拳:一般の教室では型や一連の動作の流れを教えてもらいづらいとの多くの声が寄せられ、視覚障害者に理解のある講師を招いて教室を実施した。なお、上記教室同様の開催とした。
・実施回数 25回(延べ263名)
(4)2023さよなら餅つき会:2022年度に引き続きコロナ対策に伴い中止とした。
6.「センター交流会」の実施
より多くの視覚障害者の意見、要望を聞く場としてセンター交流会を生活情報センターと飛騨市で実施した。
(センター交流会)
・日時 2023年6月23日(金)10:00~15:00
・場所 生活情報センター(岐阜市梅河町1-4)
・内容 最新機器体験会、懇談会
・協力 名古屋ライトハウス、ぎふAIネットワーク、QD Laser、システムギアビジョン
・参加人数 89名
(飛騨地区交流会)
・日時 2023年7月23日(日)11:30~15:00
・場所 古川町公民館(火だし古川町若宮2-1-66)
・内容 懇談会、最新機器紹介、ICT機器・あしらせ体験会
・協力 システムギアビジョン
・参加人数 41名
(中途視覚障碍者の集い)
・日時 2023年10月22日(日)10:00~15:00
・場所 生活情報センター(岐阜市梅河町1-4)
・内容 読書体験・歩行体験・その他体験コーナーの実施、医療講演会
・共催 岐阜県網膜色素変性症協会
・参加人数 23名
7.アソシアシネラマボイス、リーディングサービス活動の実施
毎月アソシアシネラマボイス(音声解説付き映画上映会)を行い、音声解説付き映画の普及に努めた。また、映画上映の前に、短編作品を朗読して読み聞かせを行うリーディングサービス活動を合わせて実施した。
・参加人数 延べ285名
8.読書会「本の玉手箱」の実施
読書という共通の趣味を持つ利用者、ボランティア等を対象に、本のことを自由に語れる場として隔月に1回実施した。
・参加人数 延べ49名
9.「視覚障害者外出サポート事業」の充実
同行援護など制度外となる視覚障害団体行事でのサポートや短時間での生活情報センター周辺でのサポートなど、利用者の便宜を図るよう努めた。また、インターネットを利用した外出サポートの全国ネットワークである「全国視覚障害者外出支援連絡会」(JBOS)に引き続き加盟して、他県の外出サポート事業実施団体との連携を図った。
なお、事業の実施状況は次のとおり。
・実施件数 10件(延べ11名)
10.代読・代筆情報支援事業の強化
郵便物の確認、申込書への記入等、持ち込まれた書類の代読・代筆を随時実施した。また、家庭内での代読、視覚支援サービスとして、スマホを利用しての支援も行った。
・実施人数 8名(延べ16回)
また、スマホによる視覚支援は次のとおり。
・実施人数 5名(延べ5回)
11.日常生活用具の収集・展示
視覚障害者が日常生活を営む上で便利な用具類を収集、展示して視覚障害者が手に取って確認できるよう配慮を行ったほか、遠方の視覚障害者には貸出を行った。また視覚障害者の希望に応じて購入斡旋、用具申請の手続き等の支援も行った。
・用具相談 119名(延べ178件)
12.各種クラブ活動の推進
生活情報センターを拠点として、視覚障害者と晴眼者が共通の趣味や目的で集まるクラブ活動の場を提供し、両者の交流を促進した。センターとしては、担当者を配置した上で、①広報(視覚障碍者・晴眼者双方に対して)、②会場・機材の提供、③資料(点字・墨字)の製作の3点について支援を行った。
2023年度は新型コロナウイルス感染症の流行状況とクラブ員との合意の下で実施の有無を判断し、その結果、編み物は17回、コーラスクラブは9回、卓球クラブは20回、料理クラブは11回の活動を実施した。
(1)料理クラブ…1997年12月発足 9名(視覚障碍者6名、晴眼者3名)
(2)卓球クラブ…1999年2月発足 11名(視覚障害者10名、晴眼者1名)
(3)編み物クラブ…2006年4月発足 4名(視覚障害者3名、晴眼者1名)
(4)コーラスクラブ…2007年4月発足 13名(視覚障害者9名、晴眼者4名)
13.視覚障害者福祉協会等の行事や活動への協力
(1)岐阜県視覚障害者福祉協会が岐阜県の委託を受けて実施する視覚障がい者社会・家庭生活訓練事業(5月~12月)に対し、全面的に協力した。
(2)岐阜県視覚障害者福祉協会との共催で、「点字フォーラム2023」を行った。今年度はコロナ禍で見送り続けていた対象者を東海地区に広げての開催となった。また、競技のほか、午後のディスカッションでは「記号あれこれ」と題して、点字記号の役割、用法について改めて確認をした。
・実施日 2023年11月12日(日)
・内容 午前…早読み、記憶書き、聞き書き、写し書き等
午後…みんなでディスカッション「記号あれこれ」
・参加人数 12名
(3)岐阜県視覚障害者の教育と福祉を進める会の事務局を引き継ぐなど事業継続に協力した。また、2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」の視覚障害者安否確認に、日本盲人福祉委員会の要請で2024年1月10日から19日にかけて現地へ職員1名を派遣した。