【2023年度 情報提供部門】
事業実績(2024.3.31現在)
(1)蔵書数
点字図書 9,643タイトル(27,977巻)
うち、自館製作3,409タイトル
録音図書 15,978タイトル(33,094巻)
テープ図書 5,235タイトル(27,624巻)
うち、自館製作4,059タイトル
デイジー図書 5,452タイトル
うち、自館製作1,722タイトル
テキストデイジー 423タイトル
マルチメディア 148タイトル
うち、自館制作 3タイトル
拡大図書 49タイトル(166巻)
(2023年度増加分)
点字図書 127タイトル(356巻)
厚労省委託 62タイトル(134巻)
自館製作 49タイトル(163巻)
複製 0タイトル(0巻)
購入 2タイトル(6巻)
寄贈 14タイトル(53巻)
録音図書 161タイトル(161巻)
うち、テープ図書 0タイトル(0巻)
厚労省委託 63タイトル(63巻)
うち、テープ図書 0タイトル(0巻)
自館製作 80タイトル( 80巻)
複製 0タイトル
購入 0タイトル
寄贈 11イトル(11巻)
NHK委託 7タイトル(7巻)
テキストデイジー 47タイトル
マルチメディアデイジー 18タイトル
厚労省委託 15タイトル
自館製作 3タイトル
拡大図書 14タイトル(30巻)
(2023年度廃棄分)
点字図書 0タイトル
録音図書 0タイトル
(2)貸し出し数
点字 1,695タイトル(3,441巻)
うち、図書 628タイトル(2,104巻)
雑誌 1,067タイトル(1,337巻)
点字雑誌取扱数 19種23巻)
録音 7,381タイトル(14,243巻)
うち、図書 6,097タイトル( 6,665巻)
(テープ図書取扱数 114タイトル 615巻)
(デイジー図書取扱数 5,929タイトル 5,995巻)
(オーディオCD図書取扱数 44タイトル 45巻)
(その他取扱数 10タイトル 10巻)
雑誌 1,284タイトル(7,578巻)
(テープ雑誌取扱数 3種 4巻)
(デイジー雑誌取り扱い数 82種)
テキストデイジー 12タイトル(12巻)
マルチメディア・デイジー 16タイトル(16巻)
拡大図書 1タイトル(2巻)
(3)サービス実績(一部再掲)
(製作)
点訳
蔵書 49タイトル(163巻)
プライベートサービス 131件(3,358ページ、うち立体コピー1ページ)
音訳
蔵書 80タイトル(デイジー77タイトル、シネマ・デイジー3タイトル)
プライベートサービス 13タイトル(デイジー13タイトル)
電子書籍
テキストデイジー図書
蔵書 47タイトル
マルチメディアデイジー
蔵書 3タイトル
拡大
蔵書 14タイトル(30巻)
(製作以外)
点字データ提供 45件
点字打出し 4件(362ページ)
テキストデータ化 25件
PDFデータ化 49件
コピー 585件(CD・SDカードを含む)
対面音訳サービス 延べ 6件12時間
その他、代筆、墨字訳、触図、墨字入力、葉書印刷など
(4)来館者数
個人 7,713名(利用者2,182名、ボランティア5,531名)
団体 8団体 314名
1.点字部門の製作と貸し出し
(1)点字図書の最新の出版情報及び「サピエ図書館」に登録される点字図書情報を常に把握し、利用者の要望に速やかに応えた。
(2)利用者の希望に応じて、県図書館が購入した新刊書を借り受けるほか、新たに原本を購入し、点訳ボランティアの協力によって点字図書として製作して、希望者に提供するとともに、自館製作図書の増加に努めた。製作に当たっては、点訳→校正→判定→修正→点検→製本→装備の一連の作業すべてにボランティアの協力を得て、それぞれの作業のスピード化を図った。なお、製作した点字図書は「サピエ図書館」に登録して全国の共有財産とするとともに、常に着手情報を把握しながら重複製作を回避した。さらに、国立国会図書館総合目録にも登録され、全国の点字図書館、公共図書館等との相互貸借を行って図書館サービスの充実に努めた。
相互貸借の状況は次のとおり。
点字図書
他館所蔵図書借受数 326タイトル(1,251巻)
自館所蔵図書貸出数 302タイトル(853巻)
(3)点訳講習会を開催して新たに点訳者を養成し、速やかに情報提供のできる人材育成に努めた。
(4)自動点訳ソフトやOCRを活用して点訳図書製作の効率化を図った。
(5)館報「長良川だより」(点字版266部、墨字版247部)を毎月継続発行し、利用者及び関係機関へのきめ細かい情報提供に努めた。「長良川だより」には、生活情報センターからのお知らせ、点字・録音・拡大図書新着図書案内、「サピエ図書館」に新しく登録された主な資料の紹介などを掲載した。
(6)日本書籍出版協会発行の「これから出る本」から抜粋(毎月約60タイトル分)し、点字版を継続発行し、希望者24名に配布した。これによって、墨字図書情報を提供するとともに、利用者の希望図書を把握して自館製作の点訳原本を決定した。
(7)点字交流誌「心」を年4 回発行して希望者122名に配布し、利用者間の意見・情報交換の場を提供した。
(8)Lサイズ点字プリンターを設置して、常時中途視覚障害者のLサイズ点字図書等の求めに応じられるよう努めた。
(9)プライベートサービスにより、個人の必要とする資料等の即時提供に努めた。
2.録音部門の製作と貸し出し
(1)録音図書の最新の出版情報及び「サピエ図書館」に登録される録音図書情報を常に把握し、利用者の要望に速やかに応えた。また、岐阜県図書館との相互協力によってリーディングサービス事業を行った。この事業では、利用者の希望に応じて、県図書館が購入した新刊書を借り受けるほか、新たに原本を購入し、音訳ボランティアの協力によって録音図書として製作して、希望者に提供した。
(2)音訳ボランティアの協力によって利用者の希望に応じた自館製作図書の増加に努めた。製作に当たって図書を読者に速やかに提供できるよう、音訳→校正→判定→訂正→編集→プリント→装備の一連の作業すべてにボランティアの協力を得て、それぞれの作業のスピード化を図った。なお、製作した録音図書は「サピエ図書館」に登録して全国の共有財産とした。また、国立国会図書館総合目録にも登録され、全国の点字図書館、公共図書館等との相互貸借を行って図書館サービスの充実に努めた。
相互貸借の状況は次のとおり。
テープ図書
他館製作図書借受数 41タイトル(248巻)
自館製作図書貸出数 73タイトル(367巻)
デイジー図書
他館製作図書借受数 4,169タイトル(4,235巻)
自館製作図書貸出数 1,760タイトル(1,760巻)
(3)音訳講習会を開催して新たに音訳者を養成し、速やかに情報提供のできる人材育成に努めた。
(4)視覚障害者用デジタル録音図書の製作に取り組み、音声デイジー80タイトルを製作した。
(5)映画のサウンドに画面の様子や登場人物の表情・動作などの音声解説を付けた「シネマ・デイジー」(3タイトル)の製作と普及に努めた。
(6)毎月「シネマ・デイジー例会」を開催して、利用者とボランティアで映画の音声解説について検討と確認を重ね、台本を作成した。製作に当たって 、台本作成→校正→音声解説ナレーション収録→編集→データ確認の一連の作業を計画的に行った。なお、完成したシネマ・デイジーは「サピエ図書館」に登録し、全国の点字図書館、公共図書館間でオンラインリクエスト等を行い、図書館サービスの充実に努めた。
(7)館報「長良川だより」(デイジー版115部、テープ版19部、テキストメール版85部、携帯メール版7部)で、「新着録音図書」を毎月紹介し、利用者及び関係機関へのきめ細かい情報提供を行った。なお、内容については点字版・墨字版とほぼ同様である。
(8)日本書籍出版協会発行の「これから出る本」から抜粋(毎月約60タイトル分)し、墨字図書の近刊情報(デイジー版 10部、テープ版 3部)を提供した。これによって、墨字図書情報を提供するとともに、利用者の希望図書を把握して自館製作の音訳原本を決定した。(2024年2月号までで休館)
(9)月刊録音雑誌サウンドパーク「心」を毎月製作して、デイジー版157名、テープ版(C-90 1巻)58名の希望者(施設を含む)に貸し出した。
(10)「婦人公論 全文音声版」を毎月製作して、デイジー版75名、テープ版(C-90 2巻)7名の希望者(施設を含む)へ貸し出した。また、「サピエ図書館」にもアップし、ダウンロード数4,236回、実人数2,017名の利用があった。「岐阜新聞 分水嶺」を毎月製作して、デイジー版39名の希望者に貸し出した。また、「サピエ図書館」にもアップし、ダウンロード数920回、実人数414名の利用があった。また、前年度に引き続いて地域情報を提供するための録音雑誌「生活情報誌 月刊ぷらざ」を製作して、デイジー版33名、テープ版(C-90 1巻)6名の希望者に貸し出した。その他、季刊誌「JAFMate」を製作して、デイジー版37名の希望者に貸し出した。また、「サピエ図書館」にもアップし、ダウンロード数2262回、実人数141名の利用があった。
(11)プライベートサービスにより、個人の必要とする資料(音声デイジー、テキスト、PDF)等の即時提供に努めた。
(12)対面音訳サービスについてはコロナ禍の影響もあり、利用がなかった。
(13)利用者の求めに応じて、全国の視覚障害者情報提供施設等が製作するテープ・デイジー雑誌を借り受けてプリントし、県内外の希望者に引き続き貸し出しを行った。
3.電子書籍部門の製作と貸し出し
(1)活字を読むことの困難な利用者が、文字(電子テキスト)・画像の大きさや色を変更したり、合成音声で読むことのできるテキストデイジー・マルチメディアデイジー図書を利用者の求めに応じて製作し、蔵書の充実に努めた。
(2)テキストデイジー・マルチメディアデイジー製作ボランティアの協力によって自館製作図書の増加に努め、利用者の希望に応じられる体制作りを構築した。製作に当たって、原本のテキスト化→テキスト(音声)校正→編集→データ確認の一連の作業を計画的に行った。なお、速やかに利用者に提供できるよう、デイジー学習会の場で検討を重ね、それぞれの作業のスピード化を図った。それぞれ製作された図書は「サピエ図書館」に登録し、全国の点字図書館、公共図書館間でオンラインリクエスト等を行い、図書館サービスの充実に努めた。
コンテンツの利用状況は次のとおり。
名称 ダウンロード数 実人数 延べ人数
テキストデイジー 6,226 3,724 6,226
マルチメディア・デイジー 142 93 142
(3)点訳・音訳ボランティア等を対象に、電子書籍(テキストデイジー・マルチメディアデイジー)製作講座を開催して製作者の養成をし、速やかな情報提供に努めた。
(4)電子書籍の製作に取り組み、テキストデイジー47タイトル、マルチメディアデイジー3タイトルを製作した。
4.拡大写本サービスの充実
「読書バリアフリー法」の施行に伴い、拡大図書の製作、貸し出しに努めた。当面する問題として点字郵便に該当しないため、郵送料金が自己負担となる問題点があるものの、生活情報センターが往復の送料を負担する形で行っている。
(1)拡大写本ボランティアの協力によって自館製作図書の増加に努め、利用者の希望に応じられる体制作りを構築した。製作に当たって、データ化→入力・編集→校正→製本・装備の一連の作業を計画的に行った。なお、製作における疑問点の解消、理解を深めるための「拡大図書学習会」を毎月開催し、それぞれの作業のスピード化を図った。
(2)弱視者サービスの一環としての拡大写本サービスを充実させるため、全国拡大教材製作協議会等との連携を密にし、2023年度も文部科学省が実施している拡大教科書無償給付事業に協力した。
(3)館報「長良川だより」をWeb上と共に発行・掲載し、その中で「新着拡大図書」を紹介し、利用者及び関係機関へのきめ細かい情報提供を行った。なお、Webの内容については点字版・音声版・墨字版などとほぼ同様である。
5.触図の製作
(1)点訳図書原本にある様々な図・表等の作成に全面的に取り組んだ。
(2)プライベートサービスにより、個人の必要とする資料(立体コピー)等の即時提供に努めた。
6.ボランティアの養成
(1)岐阜はもんの会主催の2023年度ボランティア研修会は、講師に広沢里枝子氏を迎えて、「命響かせて~越後瞽女唄と私~」と題し、視覚障害女性、瞽女の話、瞽女唄の実演を聞いた。参加人数53名。
(2)岐阜県の委託による点訳講習会(岐阜教室)及び音訳講習会(岐阜・羽島教室)を2023年6月から2024年3月までの間に、それぞれ28回にわたって開催し、点訳6名、音訳9名、合計15名の修了者を得ることができた。また音声デイジー編集講座(9名終了)、音声ガイド制作ボランティア向け特別講演会(18名終了)、電子書籍製作体制を強化するため、点訳・音訳ボランティア等を対象に、電子書籍製作ボランティア養成講座(4名終了)を開催した。
(3)点訳・音訳ボランティアの資質の向上を図るため、前年度講習会修了者を対象として「点訳勉強会」(岐阜教室)及び「音訳勉強会」(岐阜教室)を月1回開催してアフターケアに努めるとともに、毎月定期的に「点訳の集い」(岐阜・大垣・可児教室)、点訳校正学習会(岐阜教室)及び「音訳学習会」(岐阜・可児教室)、音訳校正学習会(岐阜教室)を開催して、点訳・音訳技術の向上に努めた。
(4)施設案内講習会については、2022年度に引き続きコロナ対策に伴い未実施とした。
(5)岐阜県の委託を受けて、遠隔地においてもICT機器等の支援ができるよう、高山市でICT支援者養成講習会を2023年7月から2024年2月にかけて実施し、4名が終了した。
7.ネットワーク事業への参加
パソコンで製作した点字・音声データの登録を行うなど、視覚障害者情報ネットワークシステムとして機能している「サピエ図書館」の事業に積極的に参加し、利用者サービスの向上を図った。
8.点字印刷・出版、その他
(1)岐阜県広報紙「岐阜県からのおしらせ」点字版(月刊・26ページ・221部)及び岐阜市広報紙「広報ぎふ」点字版(月2回・36ページ・77部)の製作・配布を委託事業として行った。なお、中途視覚障害者をはじめ高齢によって点字の触読が困難になった読者には、Lサイズ点字版「岐阜県からのおしらせ」(28部)、「広報ぎふ」(14部)を作製し配布した。その他、岐阜県の委託により「視覚障害者福祉の手引」点字版(182ページ・245部)の製作を行った。
(2岐阜県広報紙「岐阜県からのおしらせ」の音声版(月刊・デイジー版39部、テープ版C-46・1巻90部)、テキストメール版(15通)及び岐阜市広報紙の音声版「あいメール」(月2回・デイジー版11部、テープ版C-60・1巻18部)の制作・配布を委託事業として行った。その他、岐阜県の委託により「視覚障害者福祉の手引」音声版(デイジー版42部、テープ版C-90・3巻・88部、テキストメール版・16通)の製作を、また、岐阜市からの委託で「障がい者の明日のために(視覚障がい抜粋版)」のSPコード製作と音声版(デイジー版30部、テープ版C-60・1巻30部)の製作をそれぞれ行った。
(3)日本聖公会の委託を受けて、祈祷書及び聖歌集等の点字版を希望に応じて製作した。
(4)岐阜県身体障害者福祉協会会報「希望」(年2回)、その他小冊子、視覚障害者団体の会議資料、及び会員向け通知文などの点字版製作をそれぞれの依頼によって行った。また岐阜県、及び各市町村選挙管理委員会の依頼による各種選挙の「候補者名簿」点字版の製作、点字の名刺の製作に協力した。
(5)県内公的機関の閲覧用冊子としての「岐阜県議会だより」点字版(標準サイズ43部、Lサイズ43部)、音声版(デイジー版40部、テープ版40巻)を製作した。
9.関係機関・団体との連携
(1)特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)及び社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)の1施設として各種事業に参加した。そのほか、全視情協、日盲社協・情報サービス部会の各種プロジェクト委員会に協力した。
(2)中部ブロック点字図書館連絡協議会加盟の各点字図書館相互の連携を密にし、事業の効果を上げるために積極的に協力した。
(3)日本図書館協会に引き続き加盟し、図書館界の情報収集に努めた。
(4)岐阜県図書館協会に引き続き加盟し、県内の図書館との連携に努めるほか、岐阜県図書館の音訳講座・研修会等、要請に基づいて各地域でのボランティア講座に講師を派遣した。
(5)視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)が施行され4年目を迎え、前年度に引き続き県下の公共図書館等に対して「読書に困難な人たちのための読書バリアフリー基礎講座」及び前年度受講の図書館に対し応用講座を企画し実施予定であったが、周知・開催にまで至らなかった。
(6)隔月に東海地区の各地の施設を会場に開催する「東海点字研究会」に参加するとともに、その運営に積極的に協力した。