【2022年度 視覚障害者生活情報センターぎふ 事業計画書】
事業概要
視覚障害者生活情報センターぎふは、日々変容する社会にあって、視覚障害者に適切な情報提供と必要な支援そして自立への援助を目標に掲げ、視覚障害者に求められる施設となりうるよう事業を展開していく。主に昨年から続くコロナ禍での対策については、引き続きできうる対策を講じ、視覚障害者に不利益にならないよう努めていく。今年度は10名の職員により、これらの事業に加え、前年度から持ち越しとなった法人設立80周年記念事業の実施に向けて取り組んでいく。
情報提供部門では、引き続き全国の視覚障害者を対象に、点字図書、録音図書、雑誌の製作、貸し出し、館内閲覧業務、点訳・音訳ボランティアの養成、対面音訳サービス、パソコン相談サービス、点字・録音資料類の受託製作、点字印刷、製本、拡大教科書製作等の事業を行う。事業推進のために、OCRや合成音声ソフトを利用して、情報提供の迅速化を図る。そのほか、点字図書、録音図書、電子書籍、拡大図書、雑誌類の購入や各種資料の収集によって蔵書の充実に努めるとともに、触図の製作、視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の事業への積極的な参加によって、視覚障害者への情報提供の充実を目指す。岐阜県図書館との相互協力によるリーディングサービス事業、また、DAISYによるデジタル録音図書、雑誌の編集をさらに充実させるとともに、利用者、ボランティアに対しデジタル録音機器操作の指導を積極的に行う。さらに、今まで児童・生徒を対象に教科書等の拡大写本サービスを行ってきたが、今年度も引き続き「読書バリアフリー法」の施行に伴い、利用者対象の拡大と拡大図書の製作と貸し出しの充実に努める。また、Lサイズ点字プリンターを活用して、従来の標準サイズ点字に加えLサイズ点字による情報提供も継続して行う。
生活支援部門では、視覚障害者からのあらゆる相談に応じるとともに、複雑な問題については、専門機関の協力の下、その解決に当たる。そのほかに、外出サポート事業、用具の収集・斡旋、展示説明に加え機器の貸し出しを行い、日常生活の向上に努める。さらに、岐阜うかいネット(岐阜ロービジョンケアネット)に加盟して、埋もれている中途視覚障害者の発掘と支援を積極的に行う。また、小中高生に対して「点字教室」を行うほか、利用者、ボランティア、職員の交流と意見交換の場である「センター交流会」の実施やクラブ活動の支援などを継続して行うことにより、視覚障害者と晴眼者の交流の場の提供や視覚障害者への理解を深める。これらの行事については、それぞれ利用者、ボランティア、職員によるスタッフ会を設置し、3者の協力によって企画、実施する。
技術指導部門では、岐阜県から「中途失明者緊急生活訓練事業」、「歩行訓練士派遣事業」及び「視覚障がい者ICTサポート事業」の委託を受けて、歩行指導、日常生活技術指導、パソコン指導、中途視覚障害者点字学習指導を引き続き個別に行う。さらに、県内の視覚障害者に均一なサービス提供ができるよう、「移動生活情報センター事業」として、これらの事業を5圏域において実施する。さらに、コロナ禍によって齎されたオンラインのシステムを利用しうるサービスについては可能なかぎり活用し地域格差の減少に努める。
また、2017年度に視覚障害児・者・親の会「ひまわりの会」から引き継いだ就労支援事業を引き続きセンターの事業に位置付けて実施するとともに、重複視覚障害者就労支援事業所開設の準備を他団体と連携して進める。