【2022年度 情報提供部門】
1.点字部門の製作と貸し出し
(1)点字図書の最新の出版情報を常に把握し、速やかに購入することによって蔵書の充実を図る。
(2)点訳ボランティアの協力によって自館製作図書の増加に努め、利用者の希望に応じられる体制を作る。製作に当たって、点訳→校正→判定→修正→点検→製本→装備の一連の作業を計画的に行う。なお、速やかに利用者に提供できるよう、点訳校正学習会の場で検討を重ね、それぞれの作業のスピード化を図る。
(3)点訳講習会を開催して点訳ボランティアを養成し、利用者に対して点字情報の速やかな提供を目指す。
(4)点字入力だけでなく、自動点訳による点訳ソフトを活用して点訳図書製作の効率化を図る。なお、完成した図書データを「サピエ図書館」に登録し、全国の点字図書館、公共図書館間でオンラインリクエスト等を行い、図書館サービスの充実に努める。
(5)利用者に対して、センターからの情報提供を目的に館報「長良川だより」(点字版)を毎月発行する。「長良川だより」には、当センターからのお知らせ、点字・録音・テキストデイジー・拡大新着図書案内、サピエ図書情報、着手図書情報などを掲載する。
(6)墨字近刊図書情報「これから出る本」(月刊 毎月約80冊分掲載)を発行し、希望者に配布する。これによって、墨字図書情報を提供するとともに、希望図書を把握して点訳原本を決定できるように努める。
(7)利用者の声を十分に反映した図書館の運営がなされるよう交流誌「心」を年4回発行し、利用者間の意見・情報交換の場を提供するとともに情報収集する。
(8)Lサイズ点字プリンターを活用し、既存の点字データを使ってLサイズ点字の図書を製作し、求めに応じて提供する。これによって利用者の選択の幅を拡げると同時に、中途視覚障害者の点字使用の利便を図る。
(9)プライベートサービスにより、個人の必要とする資料等を点訳する。
2.録音部門の製作と貸し出し
(1)岐阜県図書館との相互協力によってリーディングサービス事業を行う。利用者の希望リストによって県図書館から新刊書等を借り受けるほか、新たに原本を購入し、音訳ボランティアの協力によって録音図書として製作して、希望者に提供する。
(2)音訳ボランティアの協力によって利用者の希望に応じた録音図書を製作する。製作に当たって、音訳→校正→判定→訂正→編集→プリント→装備の一連の作業を計画的に行う。なお、速やかに利用者に提供できるよう、音訳校正学習会の場で検討を重ね、それぞれの作業のスピード化を図る。
(3)音訳講習会を開催して音訳ボランティアを養成するほか、点訳・音訳ボランティア等を対象に、シネマデイジー製作講座を開催して製作者の養成をし、利用者に対して録音情報の速やかな提供を目指す。
(4)デジタル録音システムであるDAISYによる録音製作を推進し、録音図書・雑誌の製作を行う。なお、DAISY製作された図書データを「サピエ図書館」に登録し、全国の点字図書館、公共図書館間でオンラインリクエスト等を行い、図書館サービスの充実に努める。
(5)映画のサウンドに画面の様子や登場人物の表情・動作などの音声解説を付けた「シネマデイジー」の製作と普及に努める。
(6)毎月「シネマデイジー例会」を開催して、利用者とボランティアで映画の音声解説について検討と確認を重ね、台本を作成する。製作に当たって 、台本作成→台本校正→音声解説ナレーション収録→編集→データ確認の一連の作業を計画的に行う。なお、完成したシネマデイジーは「サピエ図書館」に登録し、全国の点字図書館、公共図書館間でオンラインリクエスト等を行い、図書館サービスの充実に努める。
(7)サウンドパーク「心」(テープ版C-90 1巻、DAISY版1枚)を毎月製作して希望者に貸し出す。
(8) 利用者に対して、センターからの情報提供を目的に館報「長良川だより」(DAISY版1枚、テープ版C-90 1巻)を毎月発行する。「長良川だより」には、当センターからのお知らせ、点字・録音・テキストデイジー・拡大新着図書案内、サピエ図書情報、着手図書情報などを掲載する。
(9)墨字近刊図書情報「これから出る本」(月刊 毎月約80冊分掲載DAISY版1枚、テープ版C-90 1巻)を発行し、希望者に配布する。これによって、墨字図書情報を提供するとともに、希望図書を把握して音訳原本を決定できるように努める。
(10)「声の婦人公論」(DAISY版1枚、テープ版(抜粋)C-90 2巻)及び生活情報を盛り込んだ雑誌「月刊ぷらざ」(DAISY版1枚、テープ版C-90 1巻)を毎月製作して、希望者へ貸し出す。また、DAISY利用者に限り、「JAFMATE」(1枚)、「岐阜新聞コラム~分水嶺~」(1枚)も毎月製作して、希望者へ貸し出す。
(11)プライベートサービスにより、個人の必要とする資料等を音訳する。
(12)利用者の希望に応じて対面音訳サービスを行う。
(13)利用者の求めに応じて、全国の視覚障害者情報提供施設等が製作するテープ・DAISY雑誌を借り受けてプリントし、県内外の希望者に引き続き貸し出す。
3.電子書籍部門の製作と貸し出し
(1)活字を読むことの困難な利用者が、文字(電子テキスト)・画像の大きさや色を変更したり、合成音声(肉声)で読むことのできるテキストデイジー図書、マルチメディアデイジー図書を利用者の求めに応じて製作し、蔵書の充実に努める。
(2)テキストデイジー、マルチメディアデイジー製作ボランティアの協力によって自館製作図書の増加に努め、利用者の希望に応じられる体制を作る。製作に当たって、原本のテキスト化→テキスト(音声)校正→編集→データ確認の一連の作業を計画的に行う。なお、速やかに利用者に提供できるよう、デイジー学習会の場で検討を重ね、それぞれの作業のスピード化を図る。それぞれ製作された図書は「サピエ図書館」に登録し、全国の点字図書館、公共図書館間でオンラインリクエスト等を行い、図書館サービスの充実に努める。
(3)点訳・音訳ボランティア等を対象に、テキストデイジー製作講座、マルチメディアデイジー製作講座を開催して製作者の養成をし、利用者に対し速やかな情報提供に努める。
4.拡大図書部門
「読書バリアフリー法」の施行に伴い、弱視者及び一般的な活字サイズの書籍を読むことが困難な人たちに対しての拡大図書の製作、貸し出しの充実に努める。
(1)大活字本の最新の出版情報を常に把握し、速やかに購入することによって蔵書の充実を図る。
(2)拡大写本ボランティアの協力によって自館製作図書の増加に努め、利用者の希望に応じられる体制を作る。製作に当たって、データ化→編集→校正→製本→装備の一連の作業を計画的に行う。なお、速やかに利用者に提供できるよう、「拡大写本スタッフ会」を定期的に開催し、それぞれの作業のスピード化を図る。
(3)弱視者サービスの一環としての拡大写本サービスを充実させるため、全国拡大教材製作協議会等との連携を図る。なお、2022年度も文部科学省が実施している拡大教科書無償給付事業に協力し、県内外の学校、教科書出版社の要望に応えて拡大教科書製作に当たる。
(4)読むことに困難な人たちに対して、センターからの情報提供を目的に館報「長良川だより」をWeb上に公開する。Web上ではトップページに当センターからのお知らせと「長良川だより」のリンクを設け、「長良川だより」には点字・録音・テキストデイジー・拡大新着図書案内、サピエ図書情報、着手図書情報などを掲載する。
(5)プライベートサービスにより、個人の必要とする資料等を拡大する。
5.触図の製作
視覚障害者の行動範囲を広げるため、岐阜はもんの会(触図の会)の全面的な協力を得て、各種の触図製作に取り組む。また、個人的なニーズに対応する柔軟性と機動性のある利用者サービスに対応して、積極的に製作を行う。
6.ボランティアの養成
社会貢献を図ろうとする県民に、活動の場や機会を提供すると同時に、自発的にボランティア活動に参加できるよう、ボランティアの養成に努める。
(1)岐阜はもんの会の主催する「ボランティア研修会」に全面的に協力し、視覚障害者に質の高いサービス提供ができるように努める。
(2)岐阜県の委託を受けて、岐阜市とオンラインで点訳講習会、岐阜市と可児市で音訳講習会をそれぞれ開催して、点訳・音訳ボランティアの養成を行うほか、「DAISY編集講座」「録音図書校正技術講習会」を開催し、デジタル録音図書及びアナログ録音図書製作の充実を図る。
(3)点訳・音訳ボランティアの資質の向上を図るため、前年度講習会修了者を対象として「点訳勉強会」(1教室)及び「音訳勉強会」(2教室)をそれぞれ月1回開催するとともに、「点訳の集い」(3教室)、「音訳学習会」(2教室)、「拡大図書学習会」(1教室)を毎月定期的に開催する。また、「点訳校正学習会」、「音訳校正学習会」を毎月1回開催し、職員とボランティアが一体となって向上を図る。
(4)施設案内、総合学習・福祉体験講師、レクリエーションの充実強化とそのボランティアを引き続き養成し、増加する依頼にきめ細かく応える。
7.ネットワーク事業への参加
パソコンで製作した点字データ及び点字・録音図書を相互に利用するネットワークシステムとして機能している「サピエ図書館」の事業に積極的に参加し、全国視覚障害者情報提供施設協会のネットワーク化と岐阜県内の視覚障害者に向けた読書サービスの充実に努める。
8.点字印刷・出版、その他
(1)岐阜県広報紙「岐阜県からのお知らせ」点字版(月刊・26ページ、年12回、標準サイズ260部、Lサイズ35部)及び岐阜市広報紙「広報ぎふ」点字版(月2回・32ページ、標準サイズ80部、Lサイズ15部)の製作、発送を行うほか、岐阜県身体障害者福祉協会会報(年3回発行)、その他関係機関、団体等の点字資料を依頼に応じて製作する。
(2)岐阜県広報紙「岐阜県からのお知らせ」の音声版(月刊 年12回・DAISY版40枚、テープ版C-90 120巻)、及び岐阜市広報紙の音声版「あいメール」(月2回・DAISY版10枚、テープ版C-60 40巻)を製作するほか、YouTube音声版の依頼も受けて、中途視覚障害者等への情報の拡大に協力する。さらに、岐阜県広報誌「県からのお知らせ」テキストメール版(月刊・年12回・14通)を委託製作し、希望者に送信する。
(3)日本聖公会の委託を受けて、祈祷書及び聖歌集の点字版を希望に応じて製作する。
(4)その他(地域資料、観光情報)生活情報センター発行の点字出版物の印刷、製本を行い、頒布する。
9.関係機関、団体との連携
(1) 「社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会情報サービス部会」及び「特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会」に引き続き加盟するほか、各種委員会活動及び日本点字委員会の事業に職員を派遣して協力する。
(2)中部ブロック点字図書館等連絡協議会加盟の各点字図書館相互の連携を密にし、事業の効果を上げるために積極的に協力する。
(3)日本図書館協会に引き続き加盟し、図書館界の情報収集に努めるとともに、全国レベルでの障害者サービスのあり方について研究する。
(4)日本図書館協会に引き続き加盟し、図書館界の情報収集に努めるとともに、全国レベルでの障害者サービスのあり方について研究する。
(5) 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)が施行され3年目を迎え、県下の公共図書館等に対して「読書に困難な人たちのための読書バリアフリー基礎講座」を開催する旨周知をする。